ナメタガレイの耳石から鍾乳石を連想する

宮城県産のナメタガレイ、798円を買う。

 

ネバネバした粘液に覆われているし、色も模様も汚い感じ。海底の砂地に同化して獲物を狙うには好都合なんだろうけど、見た目はいまいち。おまけに正式名称は、この見た目からババ(婆)ガレイというらしい。もう少ししたら私もこんな肌になるのかしらん?

 

縄文土偶を思わせる飛び出た目。

 

ネバネバと細かいウロコを取るために熱湯をかけて擦る。

 

 

風呂上がりの、さっぱりしたナメタガレイをざっくり4つに切り分けて、マース煮(海水程度の塩水に酒を加えた煮汁で煮る)にする。

 

1切れ目はそのままで、魚本来の美味しさを堪能する。

 

2切れ目は、ホワイトアスパラガスに合わせる定番ソース、オランデーズソースの変化系で食べる。

ソースの作り方は、、卵黄にマース煮の煮汁を少し加えて緩め、温めたバターを少しずつ加え混ぜてマヨネーズ状にする。煮汁の塩味が加わるものの、あとほんの少しだけ塩を足す。

 

淡白な身とコクのあるソースの組み合わせ。我ながら上出来。

 

3切れ目は、マース煮の煮汁で作った豆シチューと合わせる。

玉ねぎ、ニンニクを炒め、トマトを加えてさらに炒め、煮汁を注ぎ、紙パック入りの茹で白インゲン(水気は切る)を加えて軽く煮る。煮汁に塩気も旨味もあるので、これ以上何も加える必要なし。

 

魚を上にのっけて。お腹の中から暖まる、寒い日にぴったりの料理になった。

 

最後にナメタガレイの耳石の紹介。

 

一般的にカレイ科の魚の耳石は、体の大きさに比して大きいのだが、このナメタガレイの耳石は3mm弱と小さめ。

凸面(写真上)はつるりとしていて、きれいに年輪が見えるが、反対面(写真下)は窪みがあり、ぶつぶつしたものが付いてる。

 

こういうぶつぶつを拡大して観察すると、背筋がぞわぞわっとするのだが、この手のぞわぞわ感、鍾乳洞でもよく感じる。そういえば、鍾乳石も耳石も炭酸カルシウムが時間をかけて作り出したものだという共通点に気づく。